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大谷 環 エッセイ
「伝えたいこと」
僕はレッスンのはじめのころに「いずれ師弟は別れなくてはならない運命だから、そのとき自分で学習できるようになろうね」ということを伝えることにしている。
のっけから「別れ話」みたいになってしまって、とまどう人もある(とくに以前習っていた経験のあるひとはそういう傾向が強いようだ)。その真意はレッスンで目先のなにか(もちろんすべて大事なことなんだけど)を学んでいる時も、機会あるたびにちょっと一歩ひいて、どうやって自学自習を続けて行くことができるか、その方法をレッスンをつうじて探りながらやってもらいたいということなのだ。
レッスンで話している、けっこう余計なことのように思える話(例えば栄養とか薬品のこと、解剖学的な知識、美術一般、もちろんギター以外の音楽の話 etc. 書き出すときりがない/こういう話が多すぎると言う批判も生徒のうちにはあるけれど…)は自学自習のバックボーンとしてどうしても必要なものと確信して話しているのだ。
その真意が伝わっていないと、いくら曲が替わっても、相変わらず同じ内容をまた最初から話すことになってしまう。
僕にとってレッスンの成功とは、習いに来ている人が独立してくれること。独立というのは「自分で問題をみつけて、自分で解決できる能力」を持ってくれるということ。
そのスタンスがなによりも大事なのだ。
それを確実に伝えることができれば、その人の音楽の研究はどんどん進んで行くだろうし、レッスンも一方的に話が流れるような依存の場ではなく、活気ある共同研究の場のようになっていく。 そしてたとえ何かの理由でレッスンが続けられなくなっても進歩することが可能なのだ。
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