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大谷 環 エッセイ
​「ギター万歳(その二)」


​ざっと身の回りを見わたしてみても、完全な楽器というものはない。あれはできるが、これはできないとか、ここではいいけど、あっちではダメとか、なんだか人間と一緒だあなんて思うこともある。つまり、優劣はないということ。それでも、キャラクターに好ききらいがあったりするから、ますます同じだなあと感心する。


楽器の極は「人間の声」。つまりは歌(こいつにはかなわない)と、打楽器である。世界中のどんな楽器だってこの二つのポイントを結ぶライン上におさまる。

 

もっとも声(歌)に近い楽器はバイオリンなどを代表とする擦弦楽器だろう。音の高さのはっきりしない打楽器(手拍子なんかがそれ)がその対極にあるんだけれど、ちょっとだけ「声」のほうに寄っている打楽器というのもある。有音程打楽器といわれる(単語は聞き慣れないけれど、納得できますね)、マリンバとか、トーキング・ドラムなんかがそれ。

 

打楽器の特徴はなんと言っても、消え入る音である。ことばをかえると、出た音に「手が出せない」。それにひきかえ「声」寄りの楽器は音が出てから「手が出せる」。たとえば歌いはじめて音が小さかったら大きくすることが可能である。カラーを変えることもできる、というのが特徴。

 

で、ギター(やっと出てきた)はどの位置においてあげるのが一番妥当かというと、ちょうど「歌」と「打楽器」の中間なのである。そして、どちらにも限りなく近づけるということが、また凄い能力なのだ。

 

これは他の楽器にはまねができないと思いません? そうでしょう、カンタービレはもちろんOK。リズミックな伴奏をやらせれば、パーカッション役も楽々こなせる。そしてどちらもちゃんとサマになる。こういうふうに考えるとやっぱりギターは最も完全に近い楽器だという結論になってしまう・・・・・。

ちょっとえこひいきが過ぎるか? な?​

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