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大谷 環 エッセイ
​「コンサート以前」


​人前で弾くのはエキサイティングな行為でわくわくする楽しさはあるが、同時に緊張も高まるのが普通だ。ここでは、余計なテンションをすこしでも減らせる工夫を書き出してみようと思う。僕自身が毎回気をつけていることで、ヒントになるかもしれない。ほんとうはプログラムを決めるところぐらいから始めればよいのだろうけれど今回は省略。


​いちばん大事なのは何といっても健康であること。一月前ぐらいからは特に注意だ。風邪をひかないように、爪も割らないように気をつけて過ごす。
​前一週間ぐらいはのんびり過ごせるように、日常生活を整理していく。仕事もなるべくその時期に面倒なことをやらなくて済むように手配しておく。心が騒ぐようなトラブルに巻き込まれないようにも注意?しておいた方がいい。
​携帯品リストを作っておく。僕は数年前に作ってそのままずっと使っているがけっこう役立つ。リストを見ながら荷物をチェックしていけるので余計な気をつかわずに済む。


​当日はなるべく無駄口をきかない。お喋りに興じたあとは精神は安定するまで時間がかかるので静かに過ごしたほうがいい。
​食事は少なくとも2時間前には済ませておく。食べ過ぎもだめ。それと直前にはコーヒーなどの刺激物もとらないほうがいい。


​時間の余裕を持って会場へ。
​当たり前のことのようだけど、以上のようなことを注意して過ごせば以前にましてだいぶ演奏に集中できるシチュエーションが作れると思う。そして最後の演奏の瞬間に自分で評価をくだざず没頭することができれば大成功ですよ。

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